明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『まぼろし峠』 佐々木味津三

まぼろし峠:佐々木味津三 1932年(昭7)平凡社刊。 1935年(昭10)平凡社、佐々木味津三全集第5巻所収。 1970年(昭45)番町書房、カラー版日本伝奇名作全集第6巻所収。 佐々木味津三の代表作は「右門捕物帳」と「旗本退屈男」のシリーズ作に尽きるのだが、…

『夢に罪あり』 柴田錬三郎

夢に罪あり:柴田錬三郎 1956年(昭31)大日本雄弁会講談社刊、ロマンブックス。 1958年(昭33)光風社刊。 柴田錬三郎の現代物の恋愛小説。物語の舞台として下北沢(東京都世田谷区)という地名が出てきただけで、個人的には通勤の最寄り駅として馴染んだこ…

『生命ある河』 片岡鉄兵

生命ある河:片岡鉄兵、志村立美・画 1939年(昭14)2月~1940年(昭15)2月、雑誌「富士」連載。 1941年(昭16)非凡閣刊、新作大衆小説全集 第22巻所収。 (いのちあるかわ)片岡鉄兵は大正期には新感覚派、昭和初期にはプロレタリア作家として知られたが…

『昭和挿絵傑作選(大衆読物篇)』 渡辺圭二・解説

昭和挿絵傑作選(大衆読物篇) 1987年(昭62)国書刊行会刊。 普通に買うにはちょっと高価な大型本だが、幸か不幸か国会図書館のデジタル・コレクションの送信サービス(登録要)でネット閲覧が可能だったので、数日掛けて少しずつ堪能した。パソコンの画面…

『大願成就』 源氏鶏太

大願成就:源氏鶏太 1959年(昭34)角川書店刊。 1965年(昭40)東方社刊。 1966年(昭41)講談社刊、源氏鶏太全集第19巻。 戦後復興期のサラリーマン小説の一類型。資金繰りが苦しい製造業の会社が社長の友人の経営する他の会社から資金提供を受ける代わり…

『新版大岡政談』 林不忘

新版大岡政談:林不忘 1926年(大15)10月~1928年(昭3)5月、大阪毎日新聞と東京日日新聞で連載。 1955年(昭30)同光社刊、上下2巻。 タイトルの「大岡政談」は古くから大岡越前守が関わった事件の数々を物語るものに冠せられてきた。この作品についても…

『人間灰』 海野十三

人間灰:海野十三 1940年(昭15)春陽堂文庫260 どこかSF的寓話の味わいのする短編集全7篇。その大半に海野が生み出した名探偵帆村荘六(ほむら・しょうろく)が顔を出す。 表題作の『人間灰』は、山奥の高原の右足湖畔に建つ空気工場で起きる謎の連続失踪…

『銀座の沙漠』 柴田錬三郎

銀座の沙漠:柴田錬三郎 1958年(昭33)講談社刊。全6篇。 柴田錬三郎 (1917~1978) の現代物の中短篇6篇を集めたもの。 『生きとし生けるもの』は戦後の早い時期に書かれたもので、混乱期の人世を必死に生きようとしながらも力尽きる人々の姿を読んで、こ…

『少華族』 徳田秋声

少華族:徳田秋声 1905年(明38)春陽堂刊。上下2巻。 この歳になって、ようやく文豪徳田秋声の長篇小説を一つ読み通すことができた。自序にもあるように、筋の巧みな展開が求められる新聞小説のような長編には純文学的な要素を盛り込みにくいと言っている…