2025-05-01から1ヶ月間の記事一覧
警視庁物語:長谷川公之 1960年(昭35)小説刊行社刊。 1960年(昭35)雑誌「小説倶楽部」にダイジェスト版掲載。 作者の長谷川公之(1925~2003)は医大を卒業後、警視庁の法医学室で勤務した経歴があったが、その後映画脚本家としての活動に専念した。1956…
無惨卜伝流:南條範夫 1959年(昭34)1月~6月、雑誌「小説倶楽部」連載。 1959年(昭34)新潮社刊。 剣聖塚原卜伝が生み出した新当流についてはその教えを受け継いだ門人たちが分派として広がり、毎年鹿島神宮に集って武芸大会を開くのが盛んに行われていた…
貞操問答:菊池寛 1935年(昭10)改造社刊。 1950年(昭25)非凡閣刊、定本菊池寛長編小説選集第3巻所収。 貧しい借家暮らしの三人姉妹の真ん中、しっかり者の次女新子を中心に、演劇に熱中する長女の圭子と自由奔放な三女美和子の恋愛模様を描く長編。三人…
魔法少年:大下宇陀児 1939年(昭14)興亜書房刊、初版。 1941年(昭16)興亜書房刊、25版。 戦中期の少年少女向け探偵冒険小説集。特に短篇の方は少女たちが主人公のものが多く、恐らく少女雑誌に掲載されたものと思われる。初版後2年間で25版を重ねてお…
紫忠兵衛:山手樹一郎 1954年(昭29)豊文社刊。 1956年(昭31)同人社刊、昭和名作選書。 1958年(昭33)8月~1959年(昭34)1月、雑誌「小説倶楽部」連載。 これは雑誌「小説倶楽部」の連載で見つけて読んだのだが、時系列で見ると単行本としてはその4年…
仇討奇難録:佐々木味津三 1927年(昭2)6月~9月、雑誌「実業の日本」に8回にわたり連載。 1952年(昭27)同光社磯部書房刊、佐々木味津三代表作選集第5巻所収。 「仇討奇難」とは殺された妻の仇討をすることを指すようだ。(下記引用参照)男尊女卑の時代…
毒婦暦:邦枝完二 1915年(大4)時事新報に連載。 1916年(大5)日東堂刊。 (どくふごよみ)邦枝完二が23歳で新聞に連載した出世作。江戸時代に毒婦として記録された8人の女の小伝。8篇の内3篇は戯曲仕立てになっている。前に読んだ「江戸名人伝」と同…
赤熱白熱:小島春潮 1915年(大4)9月~1916年(大5)1月、「世界」連載。 1916年(大5)日吉堂本店刊。 大正期の少年向け海洋冒険小説。海軍中尉だった父親の死去により生活苦となった透少年は浦賀の造船所の工員として働く。しかし雇い主の娘の縁談に支障…