明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『黄金仮面』 江戸川乱歩

黄金仮面:江戸川乱歩 1930年(昭5)~1931年(昭6)雑誌「キング」連載。 1935年(昭10)平凡社刊、乱歩傑作選集第1巻。 1948年(昭23)11月~?、雑誌「冒険世界」連載(少年向け) 1970年(昭45)ポプラ社、少年探偵江戸川乱歩全集27(少年向け) 黄金仮…

『花婿三段跳び』 中野実

花婿三段跳び:中野実、田中比左良・画 1948年(昭23)7月~1949年(昭24)4月、雑誌「富士」連載。 1952年(昭27)東方社刊。 学卒の立花と土岐は就職口が見つからず、結婚相談所主催の集団見合のサクラのバイトをしている。ある時、立花は「エキストラ・ハ…

『死化粧する女』 甲賀三郎

死化粧する女:甲賀三郎 1936年(昭11)黒白書房刊、かきおろし探偵傑作叢書第3 東都新聞の記者幡野は、主筆の出張の間、編集室の指揮を委ねられるが、夜半過ぎに事件を予告する謎の手紙に誘発されて、中野区の住宅街へ車で単身駆けつける。銃声がした二階家…

『愛慾の海』 竹田敏彦

愛慾の海:竹田敏彦 1948年(昭23)5月~12月、雑誌「富士」連載。 1948年(昭23)世界社刊。 終戦直後の混乱期の世相を反映する伝奇ロマン。多様な要素が盛り込まれていた。戦中には偉業を称えられた軍の将官が一介の老爺に身を落とし、娘と共に出身地に隠…

『幽霊復活』 高木彬光

幽霊復活:高木彬光 1959年(昭34)東京文芸社刊。 1960年(昭35)10月、雑誌「読切倶楽部」に「幽霊復活」再掲載。 高木彬光が生み出した名探偵の一人、大前田英策の活躍する5編と認識のズレを扱うトリック作2篇、および「食人金属」というSF仕立ての1篇…

『怨?恋?』 稲庭恒子

怨? 恋?:稲庭恒子 1913年(大2)日吉堂刊。 作者の稲庭恒子(いなにわ・つねこ)に関する情報は少なく、大正期に活躍した女流作家の一人だったとしか言いようがない。他にプロレタリア作家の中野重治の友人として、朝日新聞社の稲庭謙治とその妻恒子に言…

『明るい階段』 南條範夫

明るい階段:南條範夫、下高原健二・画1 1959年(昭34)8月~1960年(昭35)5月、雑誌「小説倶楽部」連載。 1960年(昭35)東都書房刊。 南條範夫による珍しい現代物の青春恋愛小説。大学を卒業したてのヒロイン陽子は明るく快活な性格で、友人同士では太陽…

『裸女地獄:振袖小姓捕物控』 島本春雄

裸女地獄:振袖小姓捕物控、島本春雄 1956年(昭31)久保書店刊。 この「振袖小姓」シリーズは、戦後のカストリ雑誌の一つ「妖奇」に1949年(昭24)から足かけ4年ほど連載が続いた。「妖奇」はオール・ロマンス社の発行で「日本唯一の異色探偵誌」と銘打っ…

『風流古典語草紙』 池田三光

風流古典語草紙:池田三光 1956年(昭31)日本評論社刊。 戦後における版元としての日本評論社は「艶筆文庫」のシリーズなどの軟派文芸書を盛んに発刊した。主として日本の古典からの現代語訳に色情面を際立たせたものである。ここの「風流古典語草紙」もそ…

『さくら子』 渡辺黙禅

さくら子:渡辺黙禅 1915年(大4)~1917年(大6)春江堂書店、前後終篇全3巻。 渡辺黙禅(もくぜん、1870~1945)の長編小説の一つ。私の好きな作家の一人であり、これまで何作かを読み続けているが、例えれば隠れ家的な食事処で美味な食事ができた時のよう…

『三百六十五夜』 小島政二郎

三百六十五夜:小島政二郎 1949年(昭24)日比谷出版社刊、日比谷文芸選集所収。 1955年(昭30)東方社刊。 何と言っても小説は面白いことが第一だと思う。この作品は特に巧みな表現や文言があるわけではないが、筋の展開が思わず読者を惹きつけていく。 終…