2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧
秘密島:鹿島桜巷 1907年(明40)大学館刊。 大学館という版元はその名前とは違って、趣味娯楽書、実用書、家庭小説、探偵小説、冒険小説といった当たりの柔かな書籍の発行が大勢を占めていた。その常連作家の一人、鹿島桜巷(かしま・おうこう、?~1920)…
有楽町で逢いましょう:宮崎博史 1958年(昭53)東京文芸社刊。 1957年11月~、雑誌「週刊平凡」で連載。 このタイトルは、東京に進出した「そごうデパート」の広告キャンペーンのキャッチフレーズだった。デパートは有楽町の西口に開店したが、それに前後し…
女優殺し:無名氏 1907年(明40)大学館刊。 表紙の傍題に「二六新聞懸賞小説」と表記されているが、作品コンテストではなく、いわゆる「犯人当てクイズ」の懸賞付きだった。解決篇の直前に応募締切後の「怪しい人物」の投票結果が掲載されている。それを見…
怨の恋:篠原嶺葉 1908年(明41)大学館(うらみのこひ) 篠原嶺葉(しのはら・れいよう)は硯友社の門人として知られるが、なぜか生没年を含め、その人物像が語られることが皆無に近い作家の一人である。明治後期から大正時代にかけて、家庭小説と称された…
男は沢山いるけれど:北村小松、田中比左良・画1 1955年(昭30)1月~8月、雑誌「婦人生活」に連載。 1955年(昭30)1月~6月、雑誌「新婦人」に「どこであなたと」連載。 1955年(昭30)東方社刊。 北村小松(1901~1964)は、戦前は映画のシナリオ作家、戦…
石の下の記録:大下宇陀児、永田力・画 1948年(昭23)12月~1950年(昭25)5月、雑誌「宝石」連載。 1951年(昭26)岩谷書店刊。 1953年(昭28)春陽堂書店、日本探偵小説全集 タイトルの「石の下」とは、屋敷跡の庭石として残された大きな青い石の下に空洞…
千両文七:高木彬光 1956年(昭31)東方社刊。 1967年(昭42)2月、雑誌「小説倶楽部」に「羽子板娘」再掲載。 1968年(昭43)2月、雑誌「小説倶楽部」に「雪おんな」再掲載。 1960年(昭35)12月、雑誌「読切俱楽部」に「花嫁の死」再掲載。 高木彬光は数多…
この日美わし:大林清 1959年(昭34)東京文芸社刊。 戦後昭和期の紋切り型メロドラマの一つ。登場人物の設定が今どきの少女コミックに通じるのと、プロットの組立てにやや安易すぎる面もあった。 満州で孤児になった兄妹。帰国後、兄は若手作曲家として売り…
さまざまな夜:菊村到 1962年(昭37)1月~12月、雑誌「新婦人」連載。 1963年(昭38)河出書房新社刊。 1957年の芥川賞受賞作家、菊村到(1925~1999)によるサスペンス味の効いた恋愛小説。結婚するつもりで恋人と交際を続けているヒロインのまゆみだが、…
三万両五十三次:野村胡堂、志村立美・画 1932年(昭7)3月3日~1933年(昭8)7月29日、「報知新聞」連載。 1948年(昭23)湊書房刊。 野村胡堂の長編小説の一つ。銭形平次のシリーズに比べれば知名度は低いが、昭和7年から8年にかけて報知新聞に連載されて…