2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧
女ジゴマ:高橋筑峰 1912年(大1)春江堂書店刊。 「ジゴマ」(Zigomar) とはフランスの新聞連載小説の一つで、強盗、殺人などの凶悪犯罪を行う怪人のことで、警察や探偵を翻弄する姿勢が人気を呼び、映画化された。日本では1911年11月11日に初めて公開され、…
大東京四谷怪談:高木彬光 1978年(昭53)光文社刊、カッパノベルス。 高木彬光の生み出した名探偵の一人、墨野隴人(すみの・ろうじん)の活躍する事件簿の第3作。その名前はバロネス・オルツィの名探偵「隅の老人」にあやかっているが、本業は企業コンサ…
秘密の宝:三原天風 1914年(大3)日吉堂刊。 作者の三原天風(みはら・てんぷう)の名前は、大正初期に大人気の出た仏映画『ジゴマ』のノベライズ本や探偵活劇の著者として知られる。しかしそれは陰の顔であり、表の顔は守田有秋(もりた・ゆうしゅう、1882…
あら浪:中井苔香 1914年(大3)日吉堂刊。 作者の中井苔香(たいこう)については詳細な情報が皆無に近い。大正期に著作が集中しているが、当初は悲劇小説、家庭小説が多く、その後滑稽本に移って行った。この小説は初期の悲劇小説の一つと考えられる。 あ…
六一八の秘密:野村胡堂 1953年(昭28)偕成社刊。 1968年(昭43)偕成社、ジュニア探偵小説 第14巻 頭の切れる女子中学生の恵美子が探偵役として活躍する。前に読んだ胡堂の少女探偵物『金銀島』と同じように少女雑誌に連載されたものの同類の一つと思わ…
欧羅巴女一人旅:馬郡沙河子 1924年(昭7)朝日書房刊。 著者の馬郡沙河子(さがこ)については情報が皆無である。地方の医者の家に生まれ、女学校は東京で進取の精神を培ったようだ。名前は文中にもあるように満州の大河の一つ沙河から取ったらしい。彼女が…
なるほど:小島政二郎 1956年(昭31)1月~8月、雑誌「読切俱楽部」連載。 1956年(昭31)東方社刊。 雑誌には「巨匠の野心作」という触れ書があった。単行本には表題作の他に短篇4作を収める。 主人公の美青年幸三は、ホテルのボーイとして働いていたが、…
死頭蛾の恐怖:甲賀三郎 1935年(昭10)春秋社刊。 1935年(昭10)1月~6月、雑誌「日の出」に『死頭蛾の恐怖』を連載。 昭和日報の新聞記者、獅子内俊次が身体を張って活躍する事件。彼については以前読んだ『姿なき怪盗』の事件でも登場している。目に見え…
血染の美人:渡辺黙禅 1912年(明45)日吉堂刊。 渡辺黙禅は、歴史の荒波に翻弄されながらも生きる人々の姿を広大な構想の下に描くのをスタイルとしていた。この作品は一見すると探偵小説のように思えたが「題名はずれ」の黙禅風小説だった。物語の進行を見…
青自働車:俊碩剣士 1916年(大5)春江堂刊、探偵文庫。 俊碩剣士(しゅんせき・けんし)の3冊目を読んだ。この人は探偵活劇専門の作家として米国製活劇映画のノベライズ本を含め、大正時代の初期に十数冊の本を出している。奥付を見ると本名北島俊碩とある…
頓珍漢十手双六:玉川一郎 1956年(昭31)1月~5月、雑誌「読切俱楽部」連載。 1956年(昭31)東方社刊。 1960年(昭35)12月、雑誌「読切倶楽部」に「夜光珠事件」を再掲載。 (とんちんかん・じゅってすごろく)初出当時は通しタイトルが「藤吉捕物帖」と…
君よ知るや:藤沢桓夫 1956年(昭31)9月~1957年(昭32)8月、雑誌「読切俱楽部」連載。 1957年(昭32)東方社刊。 大阪の繁華街を舞台としたロマンス篇。ヒロインの朱美子は平凡なサラリーガール。甲斐性のない兄が使い込んだ資金の穴埋めのため、その旧友…