2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧
猫間明神:高山怨縁 1917年(大6)大川屋書店刊、「怪談百物語」第8巻。 大川屋書店では「怪談百物語」をシリーズとして100巻出すつもりだったらしいが、計10巻止まりとなった。(下掲の広告参照) この巻では、表題の「猫間明神」のほか「水沢の化け…
平和?戦争?シビリゼーション: 高橋筑峰 1917年(大6)春江堂書店刊。 タイトルの「シビリゼーション」または「シヴィリゼーション」は、辞書では ”civilisation”「文明」とかの意味になるだろうが、ここでは同時期に日本で上映されていた外国映画のタイト…
傷ついた乙女椿:竹田敏彦 1954年(昭29)1月~7月、雑誌「読切俱楽部」に連載。 1954年(昭29)東方社刊。 終戦直後の特異な愛の姿を描く。主人公は苦学生の慎吾。同郷で同大学に通う雪子と親しいが、名士令嬢との経済環境には大きな落差がある。彼は就職が…
幸福は虹の色:北村小松 1954年(昭29)1月~12月、雑誌「読切俱楽部」に連載。 1954年(昭29)東方社刊。 北村小松(1901~1964)は戦前戦中期まで映画のシナリオを数多く書いていた。戦後はユーモア小説を中心に活動した。雑誌連載では絵物語風に色刷り挿…
円朝人情噺:三遊亭円朝 1913年(大2)日本書院刊。 「人情噺、闇夜の梅」「怪談噺、怪談阿三の森」、「心中噺、心中時雨傘」の三題を収める。 闇夜の梅:三遊亭円朝、大蘇芳年・画(円朝全集1) 「闇夜の梅」は、大店の娘お梅と手代の粂之助が恋仲となった…
大熱風:牧野吉晴 1955年(昭30)1月~、雑誌「読切俱楽部」に連載。 1957年(昭32)同人社刊。 単行本には表題の長編『大熱風』のほか、3つの短篇を収める。いずれも戦中から戦後にかけての混乱の時代を描いている。 大熱風:牧野吉晴、下高原健二・画1 『…
悲しき運命:稲庭恒子 1914年(大3)日吉堂本店刊。 大正期の女流作家、稲庭恒子(いなにわ・つねこ)の家庭小説。山師の叔父に騙されて大きな借財を背負ったまま病気で死んだ両親。後に残された三人の子は、長女の静子が小学校の教員として働き、弟良輔は…
仮面の商標:邦光史郎 1963年(昭38)文芸春秋新社刊、ポケット文春。 邦光史郎(1922~1996)の社会派推理小説。繊維メーカー「国際レーヨン」の調査部所属の主人公杉野浩治は、自社ブランドの贋物の粗悪品を製造販売している会社を突きとめるため、長期欠…
さかるゝ仲:小川霞堤 1916年(大5)贅六堂刊。前後全2巻。 作者の小川霞堤(おがわ・かてい)については以前、デビュー作と思われる『悲しき仇』(1911年・明44)渡辺霞亭と共作で読んだことがある。大阪の出版社との関係も多く、関西が活動の地盤だったよ…