明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2026-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『佐賀猫退治』 神田伯龍

佐賀猫退治:神田伯龍 1899年(明32)田村熙春堂刊。 古来有名な鍋島藩の化け猫騒動の一部始終を語った一篇。出版年から推察すると神田伯龍は3代目と思われる。これまでにも化け猫をテーマにした作品を読んできたが、(下掲)予想以上に多かった。なぜか九…

『俊傑神稲水滸伝』第1巻 岳亭丘山

俊傑神稲水滸伝:岳亭丘山 1893年(明26)扶桑堂刊。 1903年(明36)博文館、続帝国文庫、第44巻(挿画なし) 「俊傑神稲水滸伝」(しゅんけつ・しんとう・すいこでん)は江戸期から明治中期まで書き続けられた稗史小説の一つ。作者の岳亭丘山(がくてい・き…

『杉田文学士:探偵奇談』 竹葉散人

杉田文学士:竹葉散人 1909年(明42)此村欽英堂刊。 タイトルからは判りにくいが、同じ作家による『S巻美人』の続篇になる。前作で失踪した令嬢おきぬの恋人として一緒に東京へ駆落ちをしたが、テロ結社の社会党との関係を警察から疑われた。大卒の学士は…

『可否道』 獅子文六

可否道:獅子文六 1962年(昭37)~1963年(昭38)、読売新聞連載。 1963年(昭38)新潮社刊。 1969年(昭44)「コーヒーと恋愛」と改題して角川文庫刊。 獅子文六(1893~1969)の晩年の一作である。無類のコーヒー好きが集まる日本可否会の会員たち5名の…

『S巻美人:探偵奇談』 竹葉散人

S巻美人:竹葉散人 1908年(明41)此村欽英堂刊。 作者の竹葉散人(ちくよう・さんじん)は生没年、本名、出身地などまったく不詳。明治後期にシェイクスピア作品を翻案紹介した翻訳家とされるが、探偵小説も何点か書いている。この『S巻美人』もその一つ…

『樹上廼死骸:幕府奇談』 柳崕亭友彦

樹上廼死骸:柳崕亭友彦 1894年(明27)扶桑堂刊。 柳崕亭友彦(りゅうがいてい・ともひこ、?~1909)は萬朝報の記者であり、作家だった。本名は片山友三郎。戯作者柳亭種彦の流れを継ぐ高畠藍泉の門人として、柳の字を号としたと思われる。柳崕亭としては…

『新訳絵入伊勢物語』 吉井勇

新訳絵入伊勢物語:吉井勇、竹久夢二・画 1917年(大6)阿蘭陀書房刊。 「伊勢物語」は高校時代の古典の教科書あるいは学習参考書などで部分的にしか接していなかった。本書を見つけたおかげで、一応全文を通読することができて良かった。吉井勇が訳したのは…

『決闘街』 宮本幹也

決闘街:宮本幹也 1958年(昭33)桃源社刊。 主人公の雄二は戦災孤児で、終戦直後は有楽町のガード下で靴磨きをしていたが、駐留軍の米兵に拾われて12年間沖縄で暮らした。空手の技も身につけた。久しぶりに帰ってきた有楽町は懐かしさもあったが、大きく…

『探偵手塚竜太』 甲賀三郎

探偵手塚竜太:甲賀三郎 1956年(昭31)東方社刊。 怪しい弁護士手塚竜太の活躍する連作短編集。戦前昭和期に書かれたもの。ここでは7篇と他の短篇2篇が収められているが、専門的なサイト「甲賀三郎の世界」にある記事『私の甲賀三郎・雑記録3 第三話 怪…