明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

『近代異妖篇』 岡本綺堂

 

1926年(大15)春陽堂刊、綺堂読物集3、全14篇。「青蛙堂鬼談」の続編と明記している。もしその怪奇談の会がそのまま続いたと考えれば徹夜で語りあったということになるだろう。この作品集は中の一作品「影を踏まれた女」のタイトルをつけて出版されたこともある。現代でも神隠しで子供がいなくなったという話などの事件は少なくないが、そのような時に人は奇妙な言動をなぜ取ったのか、その当事者の心の奥は知る由もないことに気づかされて戦慄を覚える。野村胡堂の一連の「奇談クラブ」の話集と同様に味読できた。☆☆☆

 

国会図書館デジタル・コレクション所載。挿絵は無し。

dl.ndl.go.jp

 

 

 

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