
1956年(昭31)日本評論社刊。
戦後における版元としての日本評論社は「艶筆文庫」のシリーズなどの軟派文芸書を盛んに発刊した。主として日本の古典からの現代語訳に色情面を際立たせたものである。ここの「風流古典語草紙」もそれに類する艶笑譚のタッチで、古くから使われてきたことわざ的表現、「への河童」、「朝三暮四」、「恐れ入谷の鬼子母神」、「もとの木阿弥」などの起源解説を試みている。古くは古代インドの仏教説話、中国の故事、日本の神話までさかのぼる6篇なのだが、著述者池田三光の筆遣いは闊達で、ユーモアがあった。この作家についての情報はこの本以外は皆無なので、別人の変名だったかも知れない。最後の「もとの木阿弥」は秀逸で、読者もダマされてしまった。☆☆☆
国会図書館デジタル・コレクション所載。個人送信サービス利用。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1355592
表紙絵は石原豪人。