
1959年(昭34)東京文芸社刊。
1960年(昭35)10月、雑誌「読切倶楽部」に「幽霊復活」再掲載。
高木彬光が生み出した名探偵の一人、大前田英策の活躍する5編と認識のズレを扱うトリック作2篇、および「食人金属」というSF仕立ての1篇を収める。SFは香山滋の怪獣物のような味わいが珍奇に思えた。

大前田物は江戸時代の侠客の子孫という英策が、義理と人情に篤い性格を受け継ぎ、損得なしで依頼人を助けようと動く人間臭さに好感を覚える。表題作の「幽霊復活」は怪奇現象の屋敷からの事件なのだが、あまりホラー味は出せておらず、やはり明快な探偵小説になっていた。☆☆
国会図書館デジタル・コレクション所載。個人送信サービス利用。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1647693/1/3
https://dl.ndl.go.jp/pid/1723093/1/93
雑誌掲載の挿絵は上西康介。

《彼は有名な侠客、大前田英五郎の血をひいて、酒好きな点にかけては正覚坊のごとく、女好きな点にかけては源氏の君のごとく、冒険を愛することはアルセーヌ・ルパンのごとく、その上奇々怪々な事件となると、手弁当でも飛び出す方だから、》(殺人阿呆宮)
※大前田英策もの