明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2022-10-04から1日間の記事一覧

『有憂華』 菊池寛

(うゆうげ)1932年(昭7)春陽堂刊、日本小説文庫1。タイトルの意味は「憂いのある花」のようなことで、物語の中心となる三人の女性のそれぞれの愛の不幸をかこつ姿を描く。菊池寛は頭脳明晰な人だったと言うが、感情の起伏や心理の変化を登場人物ごとに巧…