昭和初期
1928年(昭3)6月~1929年(昭4)6月、大阪毎日新聞及び東京日々新聞に連載。 1929年(昭4)改造社刊、上下2巻。 1970年(昭45)読売新聞社、大佛次郎時代小説自選集第4、5巻。 江戸末期の北海道、松前藩の廻船問屋八幡屋の当主の殺害と焼打ちは、家老蠣崎…
愚弟賢兄:佐々木邦、田中比左良・画 1942年(昭17) 大都書房刊。 1953年(昭31) 大日本雄弁会講談社刊。 佐々木邦(くに、1883~1964)は日本のユーモア作家の草分けとも言われ、明治末期から大正、昭和そして戦後まで、長年にわたる作家活動を続けた。 …
欧羅巴女一人旅:馬郡沙河子 1924年(昭7)朝日書房刊。 著者の馬郡沙河子(さがこ)については情報が皆無である。地方の医者の家に生まれ、女学校は東京で進取の精神を培ったようだ。名前は文中にもあるように満州の大河の一つ沙河から取ったらしい。彼女が…
死頭蛾の恐怖:甲賀三郎 1935年(昭10)春秋社刊。 1935年(昭10)1月~6月、雑誌「日の出」に『死頭蛾の恐怖』を連載。 昭和日報の新聞記者、獅子内俊次が身体を張って活躍する事件。彼については以前読んだ『姿なき怪盗』の事件でも登場している。目に見え…
三万両五十三次:野村胡堂、志村立美・画 1932年(昭7)3月3日~1933年(昭8)7月29日、「報知新聞」連載。 1948年(昭23)湊書房刊。 野村胡堂の長編小説の一つ。銭形平次のシリーズに比べれば知名度は低いが、昭和7年から8年にかけて報知新聞に連載されて…
黄金仮面:江戸川乱歩 1930年(昭5)~1931年(昭6)雑誌「キング」連載。 1935年(昭10)平凡社刊、乱歩傑作選集第1巻。 1948年(昭23)11月~?、雑誌「冒険世界」連載(少年向け) 1970年(昭45)ポプラ社、少年探偵江戸川乱歩全集27(少年向け) 黄金仮…
死化粧する女:甲賀三郎 1936年(昭11)黒白書房刊、かきおろし探偵傑作叢書第3 東都新聞の記者幡野は、主筆の出張の間、編集室の指揮を委ねられるが、夜半過ぎに事件を予告する謎の手紙に誘発されて、中野区の住宅街へ車で単身駆けつける。銃声がした二階家…
金銀島:野村胡堂 1933年(昭8)1月~12月、雑誌「少女倶楽部」連載。 1942年(昭17)長隆舎書店刊、胡堂・防諜冒険小説名作選。 1950年(昭25)光文社刊、野村胡堂全集第5巻、痛快文庫。 1954年(昭29)偕成社刊。 戦前期に雑誌連載後、何度も再刊された少…
貞操問答:菊池寛 1935年(昭10)改造社刊。 1950年(昭25)非凡閣刊、定本菊池寛長編小説選集第3巻所収。 貧しい借家暮らしの三人姉妹の真ん中、しっかり者の次女新子を中心に、演劇に熱中する長女の圭子と自由奔放な三女美和子の恋愛模様を描く長編。三人…
仇討奇難録:佐々木味津三 1927年(昭2)6月~9月、雑誌「実業の日本」に8回にわたり連載。 1952年(昭27)同光社磯部書房刊、佐々木味津三代表作選集第5巻所収。 「仇討奇難」とは殺された妻の仇討をすることを指すようだ。(下記引用参照)男尊女卑の時代…
まぼろし峠:佐々木味津三 1932年(昭7)平凡社刊。 1935年(昭10)平凡社、佐々木味津三全集第5巻所収。 1970年(昭45)番町書房、カラー版日本伝奇名作全集第6巻所収。 佐々木味津三の代表作は「右門捕物帳」と「旗本退屈男」のシリーズ作に尽きるのだが、…
昭和挿絵傑作選(大衆読物篇) 1987年(昭62)国書刊行会刊。 普通に買うにはちょっと高価な大型本だが、幸か不幸か国会図書館のデジタル・コレクションの送信サービス(登録要)でネット閲覧が可能だったので、数日掛けて少しずつ堪能した。パソコンの画面…
新版大岡政談:林不忘 1926年(大15)10月~1928年(昭3)5月、大阪毎日新聞と東京日日新聞で連載。 1955年(昭30)同光社刊、上下2巻。 タイトルの「大岡政談」は古くから大岡越前守が関わった事件の数々を物語るものに冠せられてきた。この作品についても…
新編銭形平次捕物控:野村胡堂 1935年(昭10)千代田書院刊。 1956年(昭31)河出書房刊、銭形平次捕物全集第2巻。 最近読んでいたのは「銭形平次」の長篇ばかりだったので、まとまった短編集も読んでみたいと思った。昭和10年に出版された「平次物」の第…
赤外線男:海野十三 1933年(昭8)春陽堂、日本小説文庫307 海野十三(うんの・じゅうざ、1897~1949)の活躍の盛期は戦前・戦中期だった。SFと言うよりも「空想科学探偵小説」と言った方が昭和レトロの雰囲気に合っているように思う。表題作『赤外線男』と…
紅手袋:保篠龍緒 1927年(昭2)1月~12月、雑誌「講談倶楽部」連載。 1929年(昭4)改造社、日本探偵小説全集第8巻「保篠龍緒集」所収。 作者の保篠龍緒(ほしの・たつお, 1892~1968) は20代後半から「怪盗ルパン」の翻訳を開始し、原作者モーリス・ルブ…
恐怖の歯型:大下宇陀児 1930年(昭5)3月~1931年(昭6)4月、雑誌「朝日」連載。 1931年(昭6)博文館刊。 1954年(昭29)春陽堂書店、春陽文庫(前後2冊) 恐怖の歯型:大下宇陀児、宮野美晴(画)1 作者の売り出し期30代の作品。作中で描かれる東京の…
大衆文学夜話:岡田貞三郎 1971年(昭46)青蛙房刊。 口述をもとにした「聞き書き」本。岡田貞三郎は講談社の草分けから雑誌「講談倶楽部」の編集者として大正から昭和前期に活動した。生来視力に障害があったが不自由を乗り越えて主任(編集長)まで務めた…
火焔を蹴る:林禮子 1928年(昭3)改造社刊。表題は『男』、321頁、伏字なし。 1930年(昭5)万里閣書房刊。改訂15版。『火焔を蹴る』422頁、伏字あり。 1948年(昭23)白鯨社刊。表題は『男』、320頁、伏字なし。木村毅・序文。 1957年(昭32)洋々社刊。表…
白い蛇赤い蛇:舟橋誠一 1932年(昭7)11月~ 都新聞連載。 1932年(昭7)有光社刊、「純粋小説全集」第9巻所収。 1933年(昭8)紀伊国屋出版部刊。 1956年(昭31)8月、雑誌「小説倶楽部」に縮約版掲載。 1956年(昭31)三笠書房刊。 白い蛇赤い蛇:舟橋誠…
地上の星座:牧逸馬 1932年(昭7)5月~1934年(昭9)5月、雑誌「主婦の友」に連載。 1934年(昭9)新潮社刊。 「丹下左膳」の作者として有名な林不忘は、牧逸馬という別の筆名を使って昭和初期の現代小説家として多様なジャンルを跨いだ言わば「天衣無縫な…
隠密一代男:佐々木味津三 1942年(昭17)蒼生社刊。 1934年(昭9)非凡閣、新選大衆小説全集 第15巻所収。『隠密一代男』 1934年(昭9)平凡社、佐々木味津三全集 第8巻所収。『神風時雨組』 『隠密一代男』の通しタイトルで公儀隠密薬師寺大馬とその配下…
船富家の惨劇:蒼井雄 1936年(昭11)春秋社刊。 1956年(昭31)河出書房、探偵小説名作全集第9(坂口安吾・蒼井雄集)所収 昭和初期、春秋社の懸賞小説で一等を獲得した作品だが、作者の蒼井雄はプロの作家とはならず、会社員としてのキャリアを全うし、こ…
青春売場日記:獅子文六 1937年(昭12)春陽堂、新作ユーモア全集 第10巻所収 獅子文六(1893~1969)の中篇「青春売場日記」を中心とするユーモア小説の中短編集。昭和初期の東京でデパートの女店員(ヂョテさん)の採用試験に応募した二人の女性がふとした…
蘆江怪談集:平山蘆江 1934年(昭9)岡倉書房刊。 平山蘆江(ろこう)(1882~1953)についてはあまり語られることがない。記者作家として新聞社を転々として、演芸・花柳界の著作が多いが、歴史物、あるいは怪談物も知られている。 彼の文体は平静沈着な語…
火葬国風景:海野十三 1935年(昭10)春秋社刊。 海野十三(1897~1949)は昭和初期から終戦直後にかけて活躍したが、当初は探偵小説家としての作品が多かった。この一冊は単行本としての四番目の作品集で、表題作「火葬国風景」の他に8篇収められている。…
1929年(昭4)改造社、日本探偵小説全集 第16巻所収。 浜尾四郎の作家としての活動は6年間しかなかったが、その最初期の3作品を読んだ。 『悪魔の弟子』 片や裁判所の判事、片や殺人犯。獄中から少年期に兄のように慕っていた判事に宛てた長文の手紙のスタ…
窓:山本禾太郎 1929年(昭4)改造社、日本探偵小説全集第17篇所収。(4篇) 1928年(昭3)平凡社、現代大衆文学全集、第35巻所収。(2篇) 山本禾太郎(のぎたろう、1889~1951)は「新青年」に『窓』が入選したのを機に作家活動に入った。戦前期における…
呪ひの塔:横溝正史 1932年(昭7)新潮社、新作探偵小説全集第10巻所収。 軽井沢に設定された空間迷路の観光施設「バベルの塔」が舞台。雑誌社の社員由比耕作は人気ミステリー作家の大江黒潮から別荘に招かれる。そこに出入りする人々にはそれぞれ入り組んだ…
鳴門秘帖:吉川英治 1927年(昭2)大阪毎日新聞社刊。 1928年(昭3)平凡社、現代大衆文学全集第9巻所収。 1939年(昭14)新潮社刊。 鳴門秘帖:吉川英治、岩田専太郎1 『新聞小説史』で、吉川英治の出世作『鳴門秘帖』も新聞小説として大正末期から昭和にか…