明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2022-02-18から1日間の記事一覧

『毒美人:探偵小説』 多田省軒

1896年(明29)盛花堂刊。明治中期(1890年前後)は探偵小説の黎明期だった。多田省軒(せいけん)は黒岩涙香とほぼ同時期の作家だが、生没年や略歴などの情報は皆無に近い。しかし残された作品数は多く、当時は人気があったと思われる。文体は漢文調が基本…