明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2022-09-07から1日間の記事一覧

『神出鬼没』 川上眉山

1902年(明35)青木嵩山堂刊。前後2巻。川上眉山は尾崎紅葉の硯友社へ参加した作家であり、泉鏡花と共に観念小説を書き、自然主義を目指して挫折し39歳で自殺したという。しかしながらこの作品は純文学からは遠くかけ離れた探偵活劇の娯楽作であった。「弱…