明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2022-09-26から1日間の記事一覧

『奇美人』 小栗風葉

1901年(明34)青木嵩山堂刊。小栗風葉はかなりの多作家であった。晩年は代作者や翻案も多かったようだが、物語の構成に工夫をこらした、読んで親しみやすい作風だと思う。この作品は彼の20代半ばのもので、当時言文一致体はまだ完全には定着しておらず、…