明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2022-02-28から1日間の記事一覧

『怪談檮衣声』 香川倫三(宝州)

1889年(明22)駸々堂刊。作者の香川宝州は生没年など不詳。別に遠塵舎とも号した講談師だったが、これは口演の速記本ではなく、自前で書き下ろした作品ということになる。題名の「檮衣声」(とおきぬた)は唐の詩人李白の「子夜呉歌」にある《萬戸檮衣声》…