明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

ユーモア小説

『青春の扉』 鹿島孝二

青春の扉:鹿島孝二、田中比左良・画1 1956年(昭31)雑誌「読切俱楽部」に『掌の恋占い』掲載。 1947年(昭22)雑誌「男女}に『兄の手紙』掲載。 1953年(昭28)東方社刊、全13篇。 青春の扉:鹿島孝二、田中比左良・画2 鹿島孝二(1905~1986)の文筆活…

『婚約三人娘』 中野実

婚約三人娘:中野実 1948年(昭23)5月~1949年(昭24)6月、雑誌「婦人生活」連載。 1952年(’昭27)東方社刊。 発表された時期が終戦後丸3年経った頃、雑誌の紙質も最低限で、文字も挿絵もかすれていた。結婚難の世相を反映して、ユーモア小説界には、「…

『無敵坊ちゃん』 三橋一夫

無敵ぼっちゃん:三橋一夫 1951年(昭26)~1952年(昭27)雑誌「小説俱楽部」連載。 1954年(昭29)豊文社刊。 1971年(昭46)春陽文庫。 作者三橋(みつはし)の名をもじった主人公満星(みつぼし)勇之介の青春記。少々ぶっきらぼうで直情的な性格は、漱…

『えくぼ人生』 中野実

えくぼ人生:中野実 1956年(昭31)東京文芸社刊。 1963年(昭38)春陽文庫 ドタバタ喜劇の一品。終戦直後の中野実の作風は人間の生き方を問い直すような深みが見られたが、戦後10年を経た復興期に入ると、世相のゆとりとともに軽妙なコメディを量産するよ…

『いいわけ夫人:舶来小咄集』 玉川一郎

いいわけ夫人:玉川一郎 1955年(昭30)久保書店刊。 フランス伝統の「小咄」いわゆるコント集。戦前の昭和13年(1938)にすでに『弁解夫人:風流紅毛短編集』というタイトルでほぼ同内容のものが出版されていた。そこでは一篇ごとに作者名が記載されてい…

『愚弟賢兄』 佐々木邦

愚弟賢兄:佐々木邦、田中比左良・画 1942年(昭17) 大都書房刊。 1953年(昭31) 大日本雄弁会講談社刊。 佐々木邦(くに、1883~1964)は日本のユーモア作家の草分けとも言われ、明治末期から大正、昭和そして戦後まで、長年にわたる作家活動を続けた。 …

『頓珍漢十手双六』 玉川一郎

頓珍漢十手双六:玉川一郎 1956年(昭31)1月~5月、雑誌「読切俱楽部」連載。 1956年(昭31)東方社刊。 1960年(昭35)12月、雑誌「読切倶楽部」に「夜光珠事件」を再掲載。 (とんちんかん・じゅってすごろく)初出当時は通しタイトルが「藤吉捕物帖」と…

『有楽町で逢いましょう』 宮崎博史

有楽町で逢いましょう:宮崎博史 1958年(昭53)東京文芸社刊。 1957年11月~、雑誌「週刊平凡」で連載。 このタイトルは、東京に進出した「そごうデパート」の広告キャンペーンのキャッチフレーズだった。デパートは有楽町の西口に開店したが、それに前後し…

『男は沢山いるけれど』 北村小松

男は沢山いるけれど:北村小松、田中比左良・画1 1955年(昭30)1月~8月、雑誌「婦人生活」に連載。 1955年(昭30)1月~6月、雑誌「新婦人」に「どこであなたと」連載。 1955年(昭30)東方社刊。 北村小松(1901~1964)は、戦前は映画のシナリオ作家、戦…

『花婿三段跳び』 中野実

花婿三段跳び:中野実、田中比左良・画 1948年(昭23)7月~1949年(昭24)4月、雑誌「富士」連載。 1952年(昭27)東方社刊。 学卒の立花と土岐は就職口が見つからず、結婚相談所主催の集団見合のサクラのバイトをしている。ある時、立花は「エキストラ・ハ…

『サムライ社員』 林二九太

サムライ社員:林二九太 1960年(昭35)10月~1961年(昭36)8月、雑誌「読切倶楽部」連載。 1962年(昭37)桃源社刊。 サムライ社員:林二九太、森下和男・画 大学では柔道部の主将だった主人公の川崎天平は、卒業後しばらく就職浪人だったが、近隣騒動のき…

『弥次喜多再興』 岡本一平

弥次喜多再興:プラトン社広告 1925年(大14)プラトン社刊。 岡本一平(1886~1948)は画家、漫画家、文筆家と称される。岡本太郎の父親である。朝日新聞社に入社して、紙面に漫画漫文という時流に即したスタイルの戯画で人気を博した。 序文にある通り、「…

『私は中学生です』 鹿島孝二

私は中学生です:鹿島孝二 1949年(昭24)11月~1951年(昭26)1月、雑誌「少女世界」連載。 1953年(昭28)宝文館刊。 ユーモア作家鹿島孝二(1905~1986)は終戦直後40代を迎え、精力的に作品を量産し出した。この「少女世界」には創刊時から続けざまに…

『タケノコ夫人行状記』 宇井無愁

タケノコ夫人行状記:宇井無愁 1955年(昭30)和同出版社刊。 宇井無愁(うい・むしゅう、1909~1992)は戦後昭和期の大阪の劇作家および小説家。筆名がフランス語の「ウィ、ムッシュー」(Oui, Monsieur.=はい、旦那様)から来ているのは誰でもわかる。主に…

『男をチチル五人の娘』 志智双六

男をチチル五人の娘:志智双六、田中比左良・画 1951年(昭26)6月~12月、雑誌「富士」連載。 志智双六(しち・そうろく, 1902~1983)についても前回書いた棟田博と同様に、その経歴に関する情報がネットでは見つからない。戦中に書いた「兵隊もの」が古書…

『バス通り裏』 筒井敬介・須藤出穂

バス通り裏:筒井敬介・須藤出穂 1959年(昭34)くろしお出版刊。 戦後のテレビ放送初期の頃制作された連続ホームドラマの小説化本である。放送は1958年4月から丸5年間の長期にわたり、当時は絶大な人気を博していた。小説化は放送開始後1年半での1冊のみ…

『世界風流艶笑譚』 石井哲夫(風流隠士)

世界風流艶笑譚:石井哲夫 1950年(昭25)4月~1951年(昭26)12月、雑誌「富士」連載。 1955年(昭30)妙義出版刊。(スマイル・ブックス) 世界風流好色譚:沢田正太郎・画1 当初「富士」連載のタイトルは『世界風流好色譚』となっていた。好色譚という面…

『魔子恐るべし』(上) 宮本幹也

魔子恐るべし(上):宮本幹也 1953年(昭28)6月~1954年(昭29)7月、「東京タイムズ」連載。 1954年(昭29)桃園書房刊。 魔子恐るべし(上):宮本幹也2 八ヶ岳に住むサンカ(山窩)の族長の娘魔子が列車で終戦直後の東京に出てくる。サンカ(山窩)とは…

『江戸っ子八軒長屋』 林二九太

江戸っ子八軒長屋:林二九太 1956年(昭31)桃源社刊。 1955年(昭30)7月~12月、雑誌「読切俱楽部」連載。 林二九太(はやし・にくた、1896~ ? ) は当初劇作家として活躍したが、戦中から戦後期にかけてはユーモア作家として多くの作品を残した。この作品…