1948年(昭23)12月~1949年(昭24)11月、雑誌「東光少年」連載。
1954年(昭29)東光出版社刊。
1960年(昭35)ポプラ社刊、少年探偵全集第3巻。
1967年(昭42)ポプラ社刊、名探偵シリーズ第6巻。
海野十三(じゅうざ)の絶筆となった作品。終戦後、未来を担う少年たちのための雑誌「東光少年」が創刊され、海野もその主要作家の一人としてこの連載を続けていたが、その途中で病没した。(1949.05.23) 訃報記事は第6号に掲載された。少なくとも半分くらいは書き貯めていたと思われるが、その後を書き継いで完成させたのは横溝正史だった。
関西圏に住む二人の少年が主人公。生駒の滝方面へ登山した帰路に事件に遭遇する。大けがをした老人を助けたときに貰った半分の金貨に隠された謎、中国人の一味と猫女もその争奪戦に加わる。途中から敵対関係の変化や筋の大幅な飛躍があるのは作者が変わったためと思われる。乱歩作品を模した少年探偵団も活躍するが、謎解きよりも冒険活劇として楽しめた。☆☆
国会図書館デジタル・コレクション所載。個人送信サービス利用。
https://dl.ndl.go.jp/pid/10998153/1/49
https://dl.ndl.go.jp/pid/1625286
https://dl.ndl.go.jp/pid/1639384
https://dl.ndl.go.jp/pid/1657715
雑誌連載時の口絵および挿絵は飯塚羚兒。
*雑誌「東光少年」に関する過去記事:
『悪魔博士』 西條八十
https://ensourdine.hatenablog.jp/entry/2023/07/08/155806