明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

2022-03-09から1日間の記事一覧

『情の人』 田口掬汀

(なさけのひと)1905年(明38)隆文館刊。明治の後期になると女性の社会進出への意識が高まり、女性の生き方を主題とする「家庭小説」というジャンルの作品が多く書かれるようになった。田口掬汀(きくてい)もそうした作家の一人である。表題作の中篇「情…