1960年2月~12月 雑誌『読切倶楽部』連載。
1961年(昭36)東京文芸社刊。
藤井重夫(1916-1979)は復員後、新聞記者を経て作家活動に入った。世代的には戦中派になる。一度芥川賞候補となる。この作品は戦後期の服装学院に通う若い女性三人組を中心とした青春群像を軽妙なタッチで描いている。特に大きな事件が起きるわけでもなく、貨幣価値の感覚がちょうど10分の1、30円のスタンドコーヒー、300円のクリスマスケーキなど、現代文化の基点となった昭和の風俗を垣間見ることで妙に懐かしさを感じた。☆☆☆
国会図書館デジタル・コレクション所載。個人送信サービス利用。
https://dl.ndl.go.jp/pid/1359722
雑誌の挿絵は下高原健二。