1950年(昭25)矢貴書店刊。新大衆小説全集第10巻所収。長篇を読むのは2作目となるが、事件の骨組みが最初の『娘変相図』と似通っていて、なかなか捜査の糸口が見えないのもむしろ平次たちの行動に緩慢さを感じた。未遂も含めて連続殺傷事件の被害者が多くなると、犯人の可能性は自ずと絞り込まれてくるのは明白だ。逮捕の際の有名な投げ銭の場面は効果的で緊迫性があった。☆☆
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挿絵は沼野青爾。