女流作家
薔薇の木にバラの花咲く:芝木好子 1958年(昭33)6月~1959年(昭34)8月、雑誌「新婦人」連載。 1959年(昭34)光文社刊。 1966年(昭41)東方社刊。 タイトルは「薔薇ノ木ニ 薔薇ノ花サク ナニゴトノ不思議ナケレド」という北原白秋の詩に拠っているとい…
欧羅巴女一人旅:馬郡沙河子 1924年(昭7)朝日書房刊。 著者の馬郡沙河子(さがこ)については情報が皆無である。地方の医者の家に生まれ、女学校は東京で進取の精神を培ったようだ。名前は文中にもあるように満州の大河の一つ沙河から取ったらしい。彼女が…
怨? 恋?:稲庭恒子 1913年(大2)日吉堂刊。 作者の稲庭恒子(いなにわ・つねこ)に関する情報は少なく、大正期に活躍した女流作家の一人だったとしか言いようがない。他にプロレタリア作家の中野重治の友人として、朝日新聞社の稲庭謙治とその妻恒子に言…
火焔を蹴る:林禮子 1928年(昭3)改造社刊。表題は『男』、321頁、伏字なし。 1930年(昭5)万里閣書房刊。改訂15版。『火焔を蹴る』422頁、伏字あり。 1948年(昭23)白鯨社刊。表題は『男』、320頁、伏字なし。木村毅・序文。 1957年(昭32)洋々社刊。表…
虹は消えない:大庭さち子 1950年(昭25)1月~12月、雑誌「富士」連載。 これもNDLデジタルで戦後雑誌(一部)の閲覧・通読が可能となって読むことができた作品だった。大庭さち子(1904~1997)は戦中期の作品もあるが、戦後特に少女小説の分野で旺盛に活…
木乃伊の口紅:田村俊子 1914年(大3)牧民社刊。 「木乃伊(ミイラ)の口紅」という題名が妙に気にかかっていたので読もうと思った。田村俊子は幸田露伴に弟子入りした純文学作家である。季節や事物への感受性が繊細かつ鋭敏で、文章に重みを感じた。共に文…
青い樹氷:大庭さち子 1955年(昭30)7月~1956年(昭31)7月 雑誌「新婦人」連載。 作者の大庭さち子 (1904~1997) は戦中から戦後にかけて少女向けの小説を中心とした創作活動を続けた。戦後は婦人雑誌等に、旧来の道徳観念に縛られてきた女性の生き方を問…
1919年(大8年)共成会出版部刊。大正期の女性ミステリー作家と思われるが、この作品1冊のみで、生没年も不明。タイトルに疑問符?を使っている点も気になって読んでみた。ある殺人事件をきっかけに重要人物が身を隠すという設定はミステリー小説の手法のパ…
1959年(昭34)1月~1960年(昭35)2月 雑誌「読切倶楽部」連載。 1960年(昭35)東方社刊。 小糸のぶ (1905-1995) は教職のあと、戦後昭和期の約20年間に恋愛・ロマンス作家として旺盛な活動をした。筆致にくせがなく、読む者にさわやかな印象を与える。…
1920年(大9)大川屋書店刊。この版元ではジャンル別に袖珍本を「○○文庫」と名付けて発刊していた。特に悲劇小説、女性路線については「柳文庫」と呼ばれていた。タイトルが「恋の魔風」という作品は当時少なくとも3点の同名異話のものがある。他に小杉天外…
(うらみとなさけ)1920年(大9)樋口隆文館刊。前後2巻。「覆水盆に返らず」の例えの通り、一度破綻させた恋愛を「結局元の鞘に」と願っても容易に叶うものではないというドロドロの愛憎劇。 作者の山田松琴(しょうきん)は明治13年、名古屋生まれの女流…