明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

『カートライト事件』 フレッチャー作、森下雨村訳

 

1928年(昭3)改造社刊。世界大衆文学全集第8巻。森下雨村訳。いわゆる円本時代に各社から出された全集本の一つ。フレッチャー (J.S.Fletcher, 1863-1935) はイギリスの小説家。広範囲なジャンルでの作家活動で知られたが、推理小説がメインであったと思われる。原題は "Cartwright Gardens Murder"。 真夜中の住宅街での怪死事件で、目撃者となった青年ジェニソンと地味な刑事ウォーマスレーのそれぞれの立場で謎解きが語られる。クロフツの作風にも通じるが、心理描写よりも行動描写に重きを置く英国ミステリーの味わいはどうも淡泊過ぎる感じがする。☆☆

 

国会図書館デジタル・コレクション所載。

dl.ndl.go.jp

 

*関連過去記事:

『消えたダイヤ』 森下雨村 - 明治埋蔵本読渉記

 

 

にほんブログ村 本ブログ 古本・古書へ