明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

『猿飛佐助:真田郎党忍術名人』 雪化山人

 

1919年(大8)立川文明堂刊。大阪の出版社、立川文明堂は明治末期から青少年向けの立川文庫(たつかわぶんこ)を発刊し、大きな人気を博した。作者名の一つ、雪化山人は講談師玉田玉秀斎とその妻子たちによるリライトの共同筆名である。猿飛佐助の名前は戦後の昭和世代に少年期を迎えていた人々には憧れの超絶忍者として記憶に刻まれている。もう一人の忍者・霧隠才蔵を加えた真田十勇士の活躍も立川文庫の功績である。戦後の忍術映画でもいきなり姿が消えてしまうシーンには夢中になった。どんな勝負でもほとんど負ける心配のない安心感というものは痛快に思うのだが、現実にはありえないことでも、少年時代の夢のように楽しいものだった。☆☆☆

 

国会図書館デジタル・コレクション所載。口絵は長谷川小信。

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