明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

映画化作品

『蛇姫様』 川口松太郎

蛇姫様:川口松太郎 1939年(昭14)10月~1940年(昭15)7月、東京日々新聞、大阪毎日新聞連載。 1949年(昭24)日比谷出版社刊。 1968年(昭43)講談社、川口松太郎全集 第2巻 所収。 野州烏山藩の領主大久保佐渡守は病身のため、国元の政事は国家老の佐伯…

『時代の霧』 竹田敏彦

時代の霧:竹田敏彦 1937年(昭12)3月~11月、読売新聞連載。 1939年(昭14)大都書房刊。 モダニズム文化の活況を呈していた昭和初期から日中戦争の暗い影が世相に及ぼし始める時代に、若い二組の男女の恋愛曲線が互いに交叉し、変容していく様を描いてい…

『花ふたたび』 阿木翁助

花ふたたび:阿木翁助 1956年(昭31)桃源社刊。 阿木翁助(1912~2002) は戦後昭和期のラジオ・テレビの脚本家として知られた。あとがきによると、この作品は連続ラジオ・ドラマとして全国21局で昭和30年6月から約1年半、433回にわたって放送され…

『風雲将棋谷』 角田喜久雄

風雲将棋谷:角田喜久雄 1939年(昭14)大日本雄弁会講談社刊。 1950年(昭25)矢貴書店、新大衆小説全集 第6巻 角田喜久雄編所収。 角田喜久雄の出世作の一つ。何度も映画化されていた。将棋谷とは信州飯田の山奥の隠れ里だが、蝦夷の民の一部が移り住んだ…

『人肌千両~黒門町伝七捕物帖』 野村胡堂・他4人の合作

1954年(昭29)東京文芸社刊。1949年に発足した捕物作家クラブの中心にいた野村胡堂、土師清二、城昌幸、佐々木杜太郎、陣出達朗の5人によるリレー形式の合作になる。合作による「伝七」物は新聞や雑誌への連載でしばらく続いたが、1953年から足かけ10年に…

『清水次郎長』 神田伯山

1924年(大13)武侠社刊。神田伯山の名演とされる筆記本で、当時は3巻で出されていたが、国会図書館のデジタル・コレクションには版元を改善社に変えた2巻目までしか収容されていない。講談は書かれて書物となった途端に文芸となると思う。歴史的に実在し…

『美女蝙蝠~黒門町伝七捕物帖』 野村胡堂・他4人の合作

1957年(昭58)雑誌「小説倶楽部」桃園書房発行。新年特大号に掲載。 「伝七捕物帳」は映画化やテレビドラマ化される頻度が高かったせいか、知名度は高い。しかし当初は捕物作家クラブの作家たちによる共同企画で、合作だった。初出は京都新聞での連載だった…