明治大正埋蔵本読渉記

明治大正期の埋もれた様々な作品を主に国会図書館デジタル・コレクションで読み漁っています。

時代小説

『大捕物仙人壺』 国枝史郎

大捕物仙人壺:国枝史郎 1942年(昭17)万里閣刊。 戦争真只中の昭和17年に刊行された国枝史郎の中短編集。表題作の中篇「仙人壺」を読んだ。江戸時代末期に官軍との重要な交渉役を果たした勝海舟や剣士伊庭八郎などの史実上の人物と、女軽業の一座、日本…

『蛇姫様』 川口松太郎

蛇姫様:川口松太郎 1939年(昭14)10月~1940年(昭15)7月、東京日々新聞、大阪毎日新聞連載。 1949年(昭24)日比谷出版社刊。 1968年(昭43)講談社、川口松太郎全集 第2巻 所収。 野州烏山藩の領主大久保佐渡守は病身のため、国元の政事は国家老の佐伯…

『隠密一代男:捕物秘帖』 佐々木味津三

隠密一代男:佐々木味津三 1942年(昭17)蒼生社刊。 1934年(昭9)非凡閣、新選大衆小説全集 第15巻所収。『隠密一代男』 1934年(昭9)平凡社、佐々木味津三全集 第8巻所収。『神風時雨組』 『隠密一代男』の通しタイトルで公儀隠密薬師寺大馬とその配下…

『慶安水滸伝』 村上元三

慶安水滸伝(上巻):村上元三 1953年(昭28)1月~10月、時事新報、大阪新聞で連載。 1954年(昭29)大日本雄弁会講談社刊、上下2巻。 江戸初期の由井正雪の乱を記した史書「慶安太平記」は後世に講談や歌舞伎、絵草紙などに形を変えて取り上げられていた…

『伊達騒動』 沙羅双樹

伊達騒動:沙羅双樹 1954年(昭29)6月~1955年(昭30)1月、東京日々新聞連載。 1955年(昭30)同光社出版刊。 自分の育った郷里の歴史上の事件として有名であり、見過ごせないと思っていた。事件を取り扱った類書は数多あって、山本周五郎の「樅ノ木は…」…

『風雲一代男 奇傑金忠輔』 野村胡堂

風雲一代男 金忠輔:野村胡堂 1951年(昭26)湊書房刊。 1959年(昭34)川津書店刊。表題を「天竺浪人金忠輔」と変えている。 江戸中期、文化文政年間に実在したとされる仙台藩の浪人、金忠輔(こん・ちゅうすけ)の破天荒な事績を小説化したもの。金(こん…

『鳴門秘帖』(上巻)吉川英治

鳴門秘帖:吉川英治 1927年(昭2)大阪毎日新聞社刊。 1928年(昭3)平凡社、現代大衆文学全集第9巻所収。 1939年(昭14)新潮社刊。 鳴門秘帖:吉川英治、岩田専太郎1 『新聞小説史』で、吉川英治の出世作『鳴門秘帖』も新聞小説として大正末期から昭和にか…

『唐人お吉』 井上友一郎

唐人お吉:井上友一郎 1949年(昭24)11月~1950年(昭25)雑誌「改造文藝」連載。 1952年(昭27)講談社刊。講談社評判小説全集 第10巻所収。 唐人お吉:井上友一郎2 幕末の動乱期に、下田に開設された米国総領事ハリスのもとに妾として通った唐人お吉の…

『鞍馬天狗:新東京絵図』 大佛次郎

鞍馬天狗・新東京絵図:大佛次郎 1947年(昭22)1月~1948年(昭23)5月 雑誌「苦楽」連載。 1948年(昭23)大日本雄弁会講談社刊。 倒幕が成就し、明治維新となった直後の鞍馬天狗の後日譚。江戸は東京と改称され、徳川家は駿府に移り、旗本・御家人の多く…

『坊ちゃん羅五郎』 白井喬二

坊ちゃん羅五郎:白井喬二 1942年(昭17)淡海堂出版刊。 1948年(昭23)講談社(小説文庫) 尾張の代官の御曹司として気ままに育ったように見える羅五郎は、付け人の呂之吉と共に代理で調停に出かけたが、その間に父親が冤罪で免職となる。それに対して一本…

『敵打日月双紙』 三上於菟吉

敵打日月双紙:三上於菟吉 1935年(昭10)平凡社、大衆文学名作選 第3巻所収。 1941年(昭16)博文館文庫(第2部 22-23) 所収。 (かたきうち・にちげつそうし)江戸時代までの仇討ちは、殺された親の仇を子供が藩主の許可を取り付けて竹矢来の場で果し合い…

『不知火奉行』 横溝正史

1956年(昭31)6月~8月、雑誌「小説倶楽部」連載。 1957年(昭32)同光社出版刊(新作・大衆文学全集)。 横溝の時代物の一冊。表題作は雑誌掲載時に「江戸のルパン」と副題が付いていた。黒頭巾の謎の浪人が「不知火」という名前で参上するが、その正体が…

『青貝進之丞人斬控』 高木彬光

1957年(昭32)9月~1958年(昭33)5月 雑誌「読切俱楽部」連載 1958年(昭33)東京文芸社刊。「女自雷也」「魔像往来」「妻恋坂の決闘」など7篇所収。 高木彬光の剣客物の時代小説。江戸の両国橋の袂で自分の命を売るという商売をする浪人・青貝進之丞は目…

『べらんめえ剣法:若さま侍捕物手帖』 城昌幸

1952年(昭27)3月~1953年(昭28)2月 雑誌「読切俱楽部」連載 1958年(昭33)同光社出版刊。「手妻はだし」「天狗隠し」「名指し幽霊」など12篇所収。 城昌幸の代名詞ともなった『若さま侍捕物手帖』のシリーズは戦前の1939年(昭16)に第1作を書いてから…

『満月城秘聞』 山岡荘八

(まんげつじょうひもん)1955年(昭30)偕成社刊。山岡荘八は「徳川家康」を始めとする歴史小説の大家だが、その他の作品、特に少年少女向けの歴史物も少なくない。これも青少年向けの偕成社刊行による単行本の一つで、10代の少年少女を主人公とする時代…

『明暗三世相』 直木三十五

1932~33年(昭7~8)改造社刊。上下2巻。直前まで朝日新聞に連載されたものを挿絵とともに出版。(デジタル・コレクション収容は上巻のみ) 1935年(昭10)春陽堂刊。日本小説文庫367~9、前中後全3篇。 直木賞に名前を残した直木三十五なのだが、これま…

『春姿からす堂』 山手樹一郎

1959年(昭34)新年号~1960年(昭35)12月号、雑誌『読切倶楽部』連載。 1961年(昭36)桃源社刊。 雑誌連載当時から絶大な人気を誇った『十六文からす堂』シリーズは1953年から1965年までの延べ13年間にわたって掲載された。その都度単行本にまとめられ…

『角兵衛獅子』 大佛次郎

1967年(昭42)講談社刊。大佛次郎少年少女のための作品集1所収。幕末の京都で謎の勤皇派の志士として活躍する「鞍馬天狗」シリーズの一冊。最初の出版は昭和2年、少年倶楽部掲載後、渾大防書房から刊行された。少年向けとして書かれたものだが、知名度が…

『旅枕からす堂』 山手樹一郎

1957年~1958年(昭32~33)雑誌「読切倶楽部」に連載。 1958年(昭33)桃源社刊。 「からす堂シリーズ」の第4巻。「千人目の春」から続く「新妻道中」の長篇を収める。互いに親しくなって二年以上になるお紺とからす堂だが、観相で千人の人助けをする大願…

『深編笠からす堂』 山手樹一郎

1955年~1957年(昭30~32)雑誌「読切倶楽部」に連載。 1957年(昭32)桃源社刊。山手樹一郎自撰集、第12巻 「からす堂シリーズ」の第3巻。「夜桜お千代」、「花曇り村正」、「教祖お照様」の3中篇を収める。 思うにこのシリーズの主人公はからす堂ではな…

『お紺からす堂』 山手樹一郎

1953年~1955年(昭28~30)雑誌「読切倶楽部」に連載。 1955年(昭30)桃源社刊。山手樹一郎自撰集、第3巻 「からす堂シリーズ物」の第2巻。「鬼小町」、「死相の殿様」、「比丘尼変化」、「江戸の兇賊」の4中篇を収める。各篇とも雑誌には4回から長く…

『十六文からす堂』 山手樹一郎

1951年(昭26)文芸図書出版社刊。山手樹一郎長篇傑作集、第2巻 1953年(昭28)雑誌読切倶楽部に連載。 1955年(昭30)桃源社刊。山手樹一郎自撰集、第7巻 雑誌「読切倶楽部」では「からす堂シリーズ物」として当時は大人気を博し、10年以上にわたる連載と…